の再利用や継承性の低さといった問題は無くなる。
しかし、PDFは標準的なファイル形態に成りうる可能性はあるが、SGMLのように国際標準として認定される見通しは今のところなく、SGMLの備える文書の構造的管理機能などは無いことから、PDF化のみを積極的に進めていくことには現時点では疑問が残るといえる。
PDFを含めたアプリケーションでの電子化は以上のような問題が考えられるため、現時点ではSGMLでのデータベース化までの過渡的な方法と考えられる。やはり将来的には国際標準を採用することが望ましい。そのための準備としては、
・アプリケーションを利用する際にはフォーマットを決めて一定のルールを作成する
・文書を構造的に作成する
などを心がけておくことが重要であると思われる。
6−2−2 SGMLの適用
SGMLは一般のアプリケーションでの文書データと違い、文書が構造的に管理されていることによる検索性や互換性の良さという特徴がある。そのため、定型的な行政文書の管理に適していると考えられる。又、CALSの国際標準技術としても高い評価を受けているため、文書データの互換性、継承性の向上という点では導入する方向が望ましいと考えられる。しかし、導入コストが高く操作が難しいなどの問題もある。
以上のようなSGMLの特徴をまとめ、一般のアプリケーションと比較すると表6−1のようになると考えられる。同表ではSGMLと一般のアプリケーションにおいて、それぞれ比較した点を網掛けにしている。ここからもわかるように、導入コストの低さ、操作性や導入の容易さなどの面では一般のアプリケーションの方が優れているが、一旦導入して使いこなせるようになれば、SGMLは様々な威力を発揮し、業務の効率化につながるものと考えられる。
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